Web広告の活用が難しい理由
こんにちは。
株式会社シー・エフ・ワイの植村です。
今回はWeb広告の活用現場でよく聞いてきた、Web広告の難しさについてお話しようと思います。
- 代理店ごとに言っていることが違っていて何が正しいかわからない
- さまざまな広告ツールがあってどれを選べばいいのかわからない
- 配信したが、効果が出ているかよくわからない
などなど、このようなお悩みを皆様も一度はお持ちになったことがある、ないしは現在進行形でお持ちでいらっしゃるのではないでしょうか?
スマートフォンの爆発的な普及やコロナ禍の影響によりチラシやポスティング等の紙媒体の広告の需要は減り、Web広告の需要は年々上がっている…そのような世の中の流れがあるからWeb広告をやらなければならない、とお考えになられている広告担当者が多いように見受けられます。
そしていざWeb広告を始めてみても、良かったのか悪かったのか実感できないまま終わってしまったというお話をよく耳にします。
ではなぜこのようなことが起きてしまうのか、ひとつずつ紐解いていきたいと思います。
代理店ごとに言っていることが違っていて何が正しいかわからない
さまざまな広告ツールがあってどれを選べばいいのかわからない
結論から申し上げますと、『この代理店の言うことは正しい・この広告ツールを選べば間違いない』という答えは存在しないです。
それぞれの代理店が取り扱っている商材ごとにできること・できないこと、長所・短所が存在し、ターゲティングの設定方法もそれぞれ異なります。なので、この商材を選べば間違いないですと平気で言う方は、Webへの理解が根本的に不足しているか売れればいいと思っているかのいずれかだと思います。
重要なのは広告ツールやターゲティング設定がビジネス目標や施策とマッチしているか、その上で効果を検証する指標をどう設定できるかを見定めることです。 そのためにWebの担当者はWeb広告や商材に関する基本的な知識を有し、企画や施策に対して適切な広告ツールを選択する必要があります。
配信したが、効果が出ているかよくわからない
広告配信後、稼働や来店が伸びていないからやる意味を見出せないと考えられたことがある方もいらっしゃるかと思います。このような場合に共通しているのが、広告の目的が明確になっておらず事前にKPIを決めていないということです。
「いや、広告の目的は来店させることだ」とお考えの方をいらっしゃるでしょうが、それは最終的な目的であり、それ以前に評価・改善しなければいけない項目が多々あります。
カスタマージャーニーマップの件でも触れておりますが、ユーザーが店舗を認知してから来店するまでにはいくつかのステージがあり、それぞれでタッチポイントやリーチできる広告ツール、評価指標は異なっております。
認知フェイズであれば、ユーザーの目に触れて認識してもらえればある意味目標は達成しており(適切なターゲットに配信されているかは確認する必要がありますが…)、そこから比較検討や来店への行動変容を促すのであれば、コンテンツや企画・施策・クリエイティブデザインの検証をする必要があります。
ジオターゲティング広告の来店計測機能はもちろん有効な指標の一つではありますが、広告を見たことがユーザーの行動変容に繋がったかどうかを評価する指標がごっそりと抜けていますので、その来店計測の数値だけをあてにするのは危険だと考えます。
つまりは広告を配信する前にユーザーの体験を詳細に想定しておき、認知〜来店までのそれぞれのフェイズにおいて評価指標を事前に決めておかない限り、どの広告ツールを使ったとしても効果が出ているかよくわからないという結論になってしまうことになります。
逆に事前に決めてさえいれば、その指標について評価したり仮説を構築していくだけなので、効果の実感うんぬんの話にすらならないです。期待値より下回れば原因を追求して改善し、上回れば成功要因を特定して再現する、見当外れだとみなせば新たなKPIを立てて運用していくだけです。
事前に全体設計をする
ここまでの話から、Web広告を依頼するだけはビジネスの成果に繋がりづらいということをある程度ご理解いただけたかと思います。Web広告はあくまで店舗の販促施策の一部であり、ユーザーの行動やその時感じる想いに沿ってWebでの販促を行わないと成功させるのは難しいです。
一つの広告ツールを使ってそこから抽出されるデータを見るだけでは中々ユーザーの行動変容を感じ取ることはできないです。 事前の設計にてどういう広告や分析ツールを組み合わせることでどのようなデータが取れるのか、そしてそれをどう評価するのかを明確にすることが大切になります。
広告ツールや事例に安易に飛びつかない
「この広告ツールを使ったらどこどこでこのような結果が出ました」という成功事例は非常に重要です。一から仕組みを組み立てるよりも成功したものの再現性を持たせる方が、効率的にビジネスを回すことができます。
しかしながら、その成功事例はあくまで他社のものであり、店舗規模や予算、立地、競合の状況、当時の時勢、市場のポジション等、自店(自社)とは大きく条件が異なることを強く意識する必要があります。
店舗規模や市場におけるポジションが似通っていても、店舗の企画やコンテンツが配信媒体やターゲットに合っていないと運用も難しくなってしまいます。
あくまで自店のマーケティングを元に企画を立て、適切なターゲットにリーチし仮説を立てて効果検証できるかをしっかりと見定める必要があります。
最後に
今回はWeb広告をやったけどうまくいっていない理由について、体系立てて掘り下げていきました。 Webの広告ツールは年々使いやすく簡単になっておりますが、一番大切なのはきちんとマーケティングと連動させた上で仮説と目標を立てていくことにあります。
今記事がみなさまのWeb周りの見直しの一助になれば幸いです。